まあ、記紀はそもそも一般読者を想定した書物ではなく、天皇もしくはごく限られた人だけを読者として想定している。
(古事記は特に秘本だし、日本書紀は天皇と外国(大陸)の貴人に対して皇統の正統性を示す事を意図している)
その日本書紀に、候補の一人は逃げた・候補の一人は10代も前の15代応神天皇の5世の孫だ、なんて書く以上、
何の政治的意図も無いわけがないという事だけははっきりしている。
王朝交代(つまり血縁の断絶)があるなら、いくらんなんでももっと巧く隠すだろうし、
かと言って事実だとしても継承上の恥をそのまま書くとは到底考えられない。何の利も無い。
もっと重大な継承上の恥(つまり血で血を洗うような皇位継承争い?)があったのを、
この程度でおさめたという事だろうか?
後世から見たら不自然だが、まったく無かったことには出来ないほどの「いざこざ」があったから
何も記さないわけにはいかなかった・・・という事だろうか?
だとしたら、「武烈天皇」が自分と自分の直系しか絶対に認めないように皇親政治を固めようとしたところを、
本来なら皇位継承者だけど武烈天皇に継承権を外された後の「継体天皇」が承服せず、武力をもって制圧した、
それに20年(もしくはそうでなくても長期間)かかったと言う事だろうか?
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