龍馬は理想だけを唱えて志なかばで斃れたので、ヒーローとして描きやすい。
大久保や勝のように実際に明治維新を実行した人々は、理想を実現する過程で「手を汚す」ので、
龍馬のような純粋なヒーローにはならない。
しかし変革を実現するのは、そういう「不純」な人々なのです。
この点を櫻田淳氏は、次のようにコメントしています。
橋下ブレーンとして名前が挙がっている面々は、何故か、学者・知識人という肩書を持っていても、「元官僚」である。
しかも、彼らは、せいぜいが佐官級で「霞が関」を去った人々である。
そして、彼らの多くは、龍馬よろしく「脱藩官僚」と称している。だが、明治維新を成就させたのは、
大久保利通や西郷隆盛の後盾になった小松帯刀にせよ木戸孝允にせよ、「脱藩しなかった高級藩士」である。
彼らが、藩主を説得して藩兵を差配できるようにしたが故の維新の成就である。
もともと徳川幕府には日本の支配者としての正統性はなく、
最大の領地(といっても全国の1/4)をもつ藩主に過ぎなかった。
それに対して経済力をつけた薩長などの藩主が「こっちに権力をよこせ」と起こした宮廷クーデタが明治維新です。
現代でいえば、財務省に対して経産省や総務省などが反乱を起こして予算編成権を奪うようなもので、
龍馬のような脱藩藩士は戦力にならない。
http://agora-web.jp/archives/1432920.htm...
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