要するに、今の日本の実質的支配者(財界人)の源流だ。それが、長宗我部。
長宗我部家は今でも存続していて、自分たち自身はそんなに大した役職にも就いていない。
ただ、戦国時代に功名のために身を興した長宗我部元親やその子の盛親らの軍勢が
一時の栄華の後に政争で敗れ、土佐の山間に落ち延びて辛酸を嘗めていた、その怨念が
幕末から維新後にかけて爆発し、今日の財界の隆盛を形作るまでに至ったのである。
長宗我部が秦始皇帝の末裔であるという確証はない。しかし、長宗我部が自国で
実施していた一領具足政策は、一芸に秀でたものは鶏鳴狗盗の輩でも取り立てるという、
戦国時代から秦代にかけて流行していた食客制度に似通っているし、坂本龍馬の
幕末におけるフィクサーとしての暗躍も、中国の戦国時代に、諸国に合従連衡を説いて
中間マージンを吸い取っていた、蘇秦や張儀のような縦横家のあり方に似ているし、
維新後に三菱財閥を興し、政商として巨万の富を築き上げた岩崎弥太郎の姿も、
豪商兼秦帝国の宰相として辣腕を振るった、呂不韋の姿にも見まがうものがある。
本当に長宗我部が始皇帝の末裔かどうかは分からないにしろ、始皇帝の実父でもある
呂不韋の末裔であったり、そこまでいかずとも、秦朝の重臣やその取り巻きの末裔で
あったりする可能性は十分にあり、王侯をも上回る権能をほしいままにする財界人としての
長宗我部勢の素養は、確かに深い歴史にも裏づけされた、お墨付きの代物であるのだといえる。
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