「不可解だらけ」 なでしこ初代監督が佐々木監督の采配に苦言
ベンチの佐々木監督は一体全体、何をしていたのか?
具体的な指示を送ることなく、ただ立ち尽くして戦況を見つめていただけの印象がある。
いきなりの2失点を喫し、その時のなでしこ選手に必要だったのは「落ち着くこと」。
さらには「目を覚ます」ことだ。
まずは堅く守りながら失点のショックを振り払い、自分たちの持ち味であるコンビプレーを思い出す。
試合の流れを引き寄せるために監督はポジショニングのズレを指摘し、
気持ちの入ってない選手にカツを入れ、チーム全体のバランスを修正していく必要があった。
33分に佐々木監督が動いたが、その策にエッ!?と思った。
「この時間帯でMF澤を投入するのか?」。さらに驚かされた。
「CB岩清水をベンチに下げる!?」
前半27分、FW大儀見の素晴らしいシュートが決まった。エースFWが得点し、なでしこに流れが傾いた。
前半のうちに2点目が入れば、後半の展開に希望が持てる。しかし、監督の澤投入がチームを壊してしまった。
澤は定位置のボランチに入った。W杯が開幕してから、宇津木と阪口のボランチが絶妙のコンビプレーを見せ、
なでしこの決勝進出の原動力となった。なのに阪口をCBに入れた。ここから「間違いだらけの佐々木采配」が加速していく。
■ベスト布陣を最後の最後で壊してしまった
38分にFW菅澤を投入した。目を疑ってしまった。
「タイプの似ている大儀見と菅澤の2トップは機能しない」ことは1次リーグで学んだハズなのに……。
後半14分にFW岩渕が出てきた。再び目を疑ってしまった。
左サイドからのドリブル突破を得意とし、
準々決勝でも準決勝でも存在感を示した岩渕を右サイドで起用したのである。
これが欧州リーグだったら、試合後の記者会見で佐々木監督は厳しい質問にさらされ、火だるまになることだろう。
しかし、日本では「ご苦労さまでした」となる。マスコミ報道も含めて決勝を再検証することが、女子サッカー発展のために必要ではないだろうか。
(鈴木良平/なでしこジャパン初代専任監督)
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