
これには、明治以降のグローバル化が影響しているのかもしれません。  
 欧米人と比べて「体格」で劣る日本人が、そのコンプレックスから、スポーツや 
 格闘技において殊更「技術」に活路を見出そうとした流れがあるように思われます。   
 確かに、漫画やドラマにおいて、「力」や「体格」に劣る者が、自分より大きな相手を 
 「技」で制する様は痛快で、見ていて溜飲が下がるものがあります。  
 しかし、現実に「柔よく剛を制す」のは、そうそう簡単なことではありません。   
 たとえば、「柔よく剛を制す」というフレーズをよく使う代表的な格闘技が柔道です。   
 しかし、そんな柔道においても、体重別に階級が定められて試合が行われています。  
 2016年の時点では、高校柔道は5階級、オリンピック柔道は7階級に分けられています。   
 なぜ体重で切り分けるのかといえば、説明するまでもなく「重い方が強い」からです。  
 技量に余程の差がなければ、これを覆すことはできません。   
 稀に、軽量級の体格で無差別級に出場して優勝するような人もいるにはいます。  
 例えば秋本啓之選手は、高校時代に66kgで全国高校選手権の無差別級を制していますが、 
 彼には、エリート柔道一家に生まれて5歳から柔道を始めたというアドバンテージがありました。  
 それぐらいの技量差や経験差がないと、自分より大きくて重い相手には勝てないのです。
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