日本人は本当に農耕民族なのか? 欧米人は本当に狩猟民族なのか?
唐突に何を言い出すのか? とお思いでしょうが、かねてより私が不思議に思っていた日本の常識について、これから少し検証してみたいと思います。
今から10数年前、私があるアメリカ人に、「日本人の祖先はほとんどが農民だから欧米人の考え方とはずいぶん違う」と言ったところ、
彼はけげんな顔をして「ヨーロッパでも昔はほとんどの人が農民だった」と答えました。
まさに「目からウロコ」だったワケですが、まずは、小麦とお米の歴史から考えてみましょう。
世界各地の古代遺跡から麦の穂や粒が発見されていることから、今から1万年以上も前から、人類は小麦を食べていたと言われています。
また、稲の栽培が始まったのは、今からおよそ1万年〜7000年前。インドのアッサム地方から中国の雲南省(うんなんしょう)という地域にかけての山あいと言われ、
その後、東南アジアや中国各地に広がり、日本に伝わったのは今から3000年〜2700年前の縄文時代と言われています。
(※資料:文珠省三・福原敏男「米と日本文化」および渡部忠世編「稲のアジア史3 アジアの中の日本稲作文化」より)
(検証1)
欧州・アジアの各地で1万年以上もの昔から小麦や米が食べられていたが、日本でお米が食べられ始めてから、まだわずか3,000年ほどの歴史しかない。
→ 欧米人が筋金入りの「農耕民族」ならば、日本人は「農耕民族」としては実に「新参者」である。
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