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………当時65歳の老人だった柳龍拳さんを若者が本気で殴るのはいかがなものか?という意見もあります。
岩倉 それは終わったから言えることであって、あのときの僕には柳龍拳が何者かわかっていないわけですから、必死ですよ。
柳さんは他に公開で試合をしていなかったから情報がなかったし、本物の達人の可能性もあったわけで。
………その状況では本気で殴りにいくのも当然だと。
岩倉 もちろんです。それにものすごい緊張感の中でやった決闘だったので、相手がいったい何をしてくるかわからなかった。
毒針をしかけてくるかもわからないわけですよ。
………投げでも打撃でもなく、まさかの毒針殺法!(笑)
岩倉 いや、笑うでしょうけど、あのときの僕は本気でそれくらい考えていたんです!
闘っている最中に毒が全身に回ってきてバタンと倒れるかもしれない。そうなる前に短期決戦で勝負を決めにいったんです。
実戦というのはそういうことですよ。何があるかわからないんですから。
………競技の範疇外の闘いまで想定しなくてはいけない?
岩倉 それこそ巌流島の宮本武蔵じゃないですけど、決闘に勝ったとしても、その後に敵の門弟たちに襲われて、やられてしまうかもしれない。
僕の場合も、柳龍拳さんの地元の北海道に乗りこんでいったわけで、完全なるアウェイでしたからね。
勝ったとしても、その後にみんなに囲まれてボコボコにされるんじゃないか、というくらいの異様な雰囲気はありましたよ。
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